Xmajor blog

Xmajor の活動の記録や,メンバーが考えていること,メンバーの素顔(?)などを綴っていきます!

Xstudy という挑戦 〜大学でもっと伸びる〜

 木下です.

 

 1月19日(土),京都大学総合博物館FミューズラボにてXstudy(クロススタディ)の成果発表会を行いました.Xstudyについては以前にもブログで紹介してきましたが,大学・大学院・学部・学年を越えて学生たちが集い,チームごとにテーマを選んで自主的に研究するという,3ヶ月半のプログラムです.最終的に26名の学生たちが何とかやり抜きました.そこで今回は,このXstudy全体を振り返ってみたいと思います.

 

 

Xstudy はなぜ生まれたのか?

 

 正式名称『Xstudy 〜大学生のための学際研究コンテスト〜』は,基本的に学びを通した学生の成長の場となることを目指していました.今の時代,大学生は大学という場に縛られることなく様々な経験ができます.僕自身,かつては大学の外での活動ばかりしてきました.しかし,あるとき思ったのは,「大学という場には,社会に出てからはなかなか学べない,かつ大事なことを学べる機会があるのではないか?」ということです.

 

 大学にいるうちは自分の興味を大切にできると思います.専門的知識にしろ,一般教養にしろ,また社会問題などにしろ,興味をもったら調べたり勉強したり考えたりする時間があります.またそのための資料も豊富に手に入れられます.専門家もいます.そして共感してくれる仲間もいます.ただし,これらは自分から取りにいくかどうかにかかっています.

 

 大学をこのような可能性をもった場として捉え直したとき,僕たちにはまだまだ工夫できることがあると思いました.大学という場を充実させることを大学の責任にしていてはいけない,それではダメだという意味ではなく,充実させたい人間が,自ら充実させるように仕事をすればいいということです.そこで生まれたのがXstudyです.

 

 

■なぜ「学際研究コンテスト」だったのか?

 

 結論からいえば,これは「学際」も「研究」も「コンテスト」もすべてその必要性はありませんでした.ですが,これがいいと思った理由を挙げていこうと思います.

 

 まず,「学際」について.これは僕たちXmajor(クロスメジャー;専攻をクロスする)という名前にも表れていますが,自分の専門分野にとらわれず,様々な分野に触れ,またそれらが協同する場を作りたかったからです.

 

 世の中にある多くの問題は多様な観点や価値観のなかで取り扱われる必要があります.したがってその問題に取り組む人は,多様な観点や価値観や考え方を理解したり受け入れたりしたうえで,それらを生産的に機能させていかなければいけません.しかし一方で大学のカリキュラムでは,学年が上がっていくにつれ異分野との接点がなくなりがちです.そのギャップを埋めるためにも,学生の間に学問分野を越境してみることや,<バックグラウンドが学際的であるようなチーム>での活動を経験しておくことには意義があると考えました.

 

 

 次に「研究」について.よく,学生たちで集まって社会のことについて考えてみよう!という企画があります.これはとてもいい機会だと思います.僕たちがやろうとしたことも,あまり変わらないと思います.ただ僕たちがやりたかったのは,「考える」ためにもじっくりと時間をかけて調べるということです.大学生だからこそ,それができる時間と場所があります.それを実践してみる場を作りたいと思いました.

 

 さらに,いろいろと調べ考えていくと,自分の中に疑問が生まれてきます.そこでこの疑問について,さらに調べ,考えてみる.自分なりに答えを出してみる.ひとに話し,意見をもらい,また考える.こうしたプロセスを通して初めて<自分の意見・考え>というものが形成されるのだと思います.この<自ら問い,学ぶ>ということをするために,「研究」と表現することにしました.

 

 

 最後に,「コンテスト」について.上記のような理由で,「学際研究」というものをやってみようとしました.そこで大切なのは,参加者のモチベーションの維持です.そのために考案したのが「コンテスト」でした.まず,こうすることによって期限が決まります.「ここまでガンバる」というゴールがあると人は頑張れます.また他のチームと競うこと自体に価値はないのですが,チームでの仲間意識は高まります.例えば,普段はサッカーに感心のない(日本)人でも,ワールドカップになった途端に日本人になり日本代表を応援する仲間になります.仲間意識が高まっていくにつれ,「他のチームに負けたくない」となり,「自分たちのもの(研究)をもっといいものにしよう」という気持ちが湧きます.結果,人がこの取り組みにかける情熱や努力が増し,その分だけ成長につながるという仕掛けです.

 

 

 以上のような考えから「学際研究コンテスト」と名づけて実施しました.いま振り返って,これが最適であったかどうかは分かりません.ですが,やってよかったという手ごたえは確かにありました.以前に何度かこのブログで紹介した参加者の振り返りをご覧頂ければと思います.

 

Xstudy感想集①「学んだこと」編

Xstudy感想集②「失敗・困難」編

Xstudy感想集③「今年の課題」編

Xstudy感想集④「動機・目的・満足度」編

 

 

■成長の場としての可能性

 

 今回Xstudyの参加者とのたくさんの会話を通して僕が強く感じたのは,「学生は学ぶことが好きで,自分をもっと成長させたがっている」ということです.少なくとも参加した学生たちからは,このように感じられました.そして,大学において,こうした学生たちが集う場,この気持ちに応えられる取り組みが可能だということです.Xstudyはまだまだ課題も多いですが,さらに大きく成長する場としての可能性があると感じています.

 

 

 

■来年度への課題

 

 

 今回は「学際」や「研究」という点では不十分でした.学際的に取り組む必要があるだろうテーマを候補にあげたつもりでしたが,実際に始めてみると,学際的にあるいは多角的に問題にアプローチするということが出来ていませんでした.また,テーマ設定から調べ方,論理・仮説の組み立て,その検証などなどができておらず,「研究」というレベルにはなかなか至りませんでした.そもそも,「学際」や「研究」とはどういうことなのか,なぜ必要なのか,などということを考え,議論することから始めるべきだったのかもしれません.

 

 また参加者からの声にも多かったのが,プログラム中に相談したりアドバイスをしたり,研究としての手ほどきをしてもらえるような機会がほしいということです.このためにも実際の研究者に協力して頂けるよう,運営側としては尽くしていく必要があります.

 

 その他,実施の時期・期間や評価方法などまだまだたくさんありますが,それらも含めて今後Xmajor内で議論し,プログラムの再構成を図っていきたいと思います.

 

 

■次のXstudyをつくる

 

 さて,そこで来年度のXstudyを作っていくためには,企画・運営していく人が必要です.今年はXmajorメンバー9名で作ってきましたが,この3月に5人が卒業します.そのため,「Xmajorの活動に共感し,一緒にもっと良いものをつくっていきたい!」メンバーを募集します.

 Xmajorでは,やることは決まっていません.何をやるか,何があったらいいか,どうしたいか,これを考えることから始まります.創造性を発揮したい人,アイディア豊富な人,アイディアを実現したい人,実行力をつけたい人,大学の中にもっと通じたい人,成長したい人など,いろんな性格や才能を発揮し,磨いてほしいと思います.興味のある方はぜひ以下のアドレスまでご連絡ください.

 

 一度きりの大学生活,その選択肢としてぜひXmajorを考えてみてください!

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