Xmajor blog

Xmajor の活動の記録や,メンバーが考えていること,メンバーの素顔(?)などを綴っていきます!

意思判断の伴うコミュニケーション 〜「提案力」を身につける〜

コミュニケーションとは?

「コミュニケーション」という言葉を聞いてみなさんはどんなイメージをしますか?
日常の家族や友達との会話から,大学生であれば教授と研究打合せということもありそうです.
枚挙に暇はありませんね.

でも,コミュニケーションの種類って考えたことありますか?

「ロジカル・プレゼンテーション」(高田貴久 著)によると,
コミュニケーションはその目的によって以下のように分類できます.

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確かにって感じです.この中でもっともその影響力,重要性が高いのはやはり右上の「提案,説得」ではないでしょうか?

社会を動かしていくには「一人」ではどうにもなりません.何か考えを持っている人と意思決定者は別々に存在することが多いのです.

例を挙げるなら,昨年の震災を契機に一気に持ち上がった原発問題.具体的なプラン(政府)や科学的な問題(専門家)を知っている人々と真の意思決定者(国民)は明確に別々の存在であり,その間にはギャップがあります.

(ex: サイエンスコミュニケーション(以前のブログ記事参照)

社会を動かす上でもっとも重要なこの種のコミュニケーションは,一方で日頃最も意識されていないものであると思います.そして必要な場面は突然やってきて,満足な意思疎通ができずに成果をあげられない,そんな構造があるのではないでしょうか.


実践練習しようぜ!

「機会がないなら,やればいいやん」ということで,私たち Xmajor は模擬的に実践練習してみました!
以前のブログ(12月21日)でも紹介しましたが,
今回はそのバージョンアップ版です.

去る1月14日,京大の附属図書館の共同研究室をお借りして,実践企画を開催しました.
Facebooktwitter を通じて集まった京大を始めとした京都の大学生から,大阪の大学生にも来ていただき3つのグループに分かれて議論しました.



企画のはじめは,日常の中もしくは将来ありそうな状況における,この種のコミュニケーション=「提案」ってどんなものだろう?つまり数あるコミュニケーションの中で相手に「意思決定・行動」を求めている場面ってどんなとき?という問からです.

まさに,この企画のモチベーションに関わる部分ですね.
まず,各々のグループから上がったテーマを挙げると以下のようになります.

・大学生に対する「新歓」
・告白
・上司に自分の能力を売り込む

ポップなものから,将来の仕事における状況まで出ました.(笑)

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考えてみれば,やっぱりいろんな状況があります.
そしてこのテーマでそれぞれの状況で「成功」するために必要な要素についても考えてもらいました.

・(新歓)組織の安心感,新入生にどんな利益があるかを伝えること,提案者の熱意
・(告白)熱意!,相手の女性について知ること,根回し(周りから固める.笑)
・(売り込み)相手のニーズにあった自分の能力をアピール,相手との距離感を縮めること

状況によってやはり必要な要素は違ってきますが,根本的,本質的なことは共通しているとは思いませんか?
そう,「対象(相手)はっきりと意識する」ということです.当たり前ですよね,でもホントにいつも考えられていますか?自分の伝えたいことだけでは,「提案」は成功しません.


先ほどの参考にした書籍にはこんなことが書いてあります.
自分なりにいくら論理的に説明したつもりでも,それを相手が理解していなければ,論理的とは言えない
(提案に)理解を示したかどうかは,自分ではなく相手が判断する

非常にシビアです.
この議論から出てきた「相手について考える」ということを意識して,次は実際に「提案」をつくっていきます.



今回は限られた時間,最大限楽しみながらワークしていただきたかったので,Xmajor 企画者側から以下の3つのポップめなテーマについて「提案」を作ってもらいました.

・京都市の大学生が 「自分の留学先の外国人の友人に」 京都への旅行を提案する.
・大学生が 「選挙に行かない大学生(若者)」 に選挙に行って投票することを提案する.
・大学生が 「この場にいる大学生に」 毎日今より1時間早起きして◯◯することを提案する.

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そして作ってもらった提案を実際にプレゼンしてもらいました.
発表や議論の詳細は省きますが,発表には各々のグループの個性が出て非常に面白かったです.

それぞれのグループの発表に対して,その他の参加者は聞き手になりきり,フィードバックシートにコメントを書きます.もっとも重要な点は「提案を受け入れる気になったか?」です.

みなさんしっかりと「対象を意識して」プレゼンしていて素晴らしかったです.
ただ提案内容の実現という点を考えると,相手について考えきれていない部分もあったのかなとも思います.やはり非常に難しいですよね.

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発表のあとは,全体で気付きの共有をしました.

まとめ

最後に,この企画を通じて僕達が考えた提案成功のための要素について軽く紹介します.
以下提案(プレゼン)まで時系列に沿って並べると,

(1)現状把握:相手のニーズ,バックグラウンドを的確に把握する

(2)準備:提案が具体的なもので,新しい価値があること.また分かりやすい構成であること.

(3)プレゼン:熱意があること.伝え方が分かりやすいこと,聞き手を無視した一方的なものではないこと.

以上のようになります.もちろんこれは唯一解ではありませんし,足りない要素もあると思います.
ただ最低限抑えておくべきポイントではないかと思います.


このような機会(企画)や,実際に考えを巡らせてみることだけでは次上手くいくことはないと思います.しかしながら今後のための「ヒント」となるものでしょう.
是非,日頃の「コミュニケーション」に生かしてみてください.そのたびに新しい気付きがあるのではないでしょうか.

それでは,また! (T. IKARI)

ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」