Xmajor blog

Xmajor の活動の記録や,メンバーが考えていること,メンバーの素顔(?)などを綴っていきます!

いち学生から見た大学研究と研究者〜京大アカデミックデイ〜

皆さんは大学で何をしていますか??

サークル?飲み会?留学?

では授業は?

授業に熱心に取り組んだ記憶は少ないのではないでしょうか?笑

しかし、授業で講義する教授たちは、人類最高峰の知を身に付けた知の巨人。

 

私はいま大学院の修士2回生。研究室でよく教授のお世話になりますが、教授たちの知識の量、頭の良さに圧倒されることが多いです。

 

そんな時、『こんなスゴイ教授たちの集まる大学、もっと多くの教授と話をしたらきっと面白いのではないか?』という事を思います。

 

研究者たちともっと話が出来ないか…?

それを出来る機会がありました!

その名も「京都大学アカデミックデイ 2014 みんなで対話する京都大学の日

 

〜〜京都大学アカデミックデイとは?〜〜

京大と関係ある文理さまざまな研究者が、一般来場者と対話できるイベントです。ポスターセッション・講演会・ちゃぶ台を囲んでの談話の3つの交流形式と、研究者オススメの書籍紹介場の計4つのコーナーからなります。

 「これは、国民と科学・技術に関わる者が直接対話をすることで、国民の声を、国の政策や本学における研究活動に反映させることを一つの目的として始められた取組です。」(京都大学アカデミックデイHPよりhttp://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120902_1.htm)

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私はポスターセッションを中心に周り、さまざまな研究者のお話を聞くことが出来ました。

そのなかで今回は3つ、自分の考えを交えて書きたいと思います。

 

1.ほとんどの研究は社会に通じる。そこに文系・理系の差はない!

今まで私は、大学の研究は教授の興味の向くままに行われていると思っていました。

しかし、今回さまざまな研究者の発表を聞くと、どうもそうではないようです。

 

例えば、東アフリカ牧畜民の生活様式の研究の場合、その成果が、現地の自治体の政策立案時に活用されます。同様に、ミャンマーの山岳民族の価値観の研究もその民族と交流する際のガイドラインに活用されます。

このように、ほとんどの研究は社会に益をもたらす面をもっているようです。

 

2.皆で考える社会を目指して

今度は個人的に印象に残った研究です。それは『医療や科学技術の倫理について考える』です。

これは代理出産や終末期医療など、倫理に関わる問題について「どのように人々に問いかけ、参加を促すか、意見を引き出すか?」という研究だと個人的には解釈しました。

それによって国民の考えも交えた政策の実現を目指す研究のようです。

 

これは科学技術で世界の先をいく日本にとってとても大切ではないでしょうか?

科学技術の進歩によって、人々の出来る事は拡がりました。

しかし倫理的な問題はなかなか考えられず、その利用法は各人の良心と判断に任されていると私は感じています。

しかし、考えないといけないと言われても倫理的な問題は複雑でなかなか取り組む気が起きないのが現状ではないでしょうか?

この研究はその現状に一石を投じられると思います。

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 医療倫・科学技術の倫理研究のポスターセッションと研究者の方々。ここでは代理出産尊厳死の2つを参加者である私と共に考えました。

 

3.必要なのはT-person(専門を深めつつ、広い教養をもつ者)

大学の教授・研究者は専門分野について沢山の知識をもっています。

そして各々の話を聞くと、その研究が実現すればよりよい社会が生まれる希望が見え隠れします。

しかし研究者間でも、分野がことなれば理想が異なり、時には互いが相反することもあります。

そんな中で私達が、本当に良い社会を作るには、研究者たちの橋渡し役として、各人の議論を促進し、皆が最善解を導き出せる人間です。

そうした人間は自身の専門だけでなく、その他の分野の話も理解できる人間T-personだと思います。

 

先ほどの生命倫理の研究者のお話で以下のものがありました。

代理出産制度に反対の意見で『代理母の利用が普通になると、利用したくない人でも利用を否定しにくい社会風潮が日本人の間できる』というものがありました。それは今までの私達にはない新しい観点です。」

 

このような意見を言える人がT-personの例だと思います。

これは医療倫理に人文学からの視点を加えた例ではないでしょうか。

こういった事ができる人が増え、分野同士を繋ぐ人間が増えれば、ますます研究からより良い社会が実現できると感じたイベントでした。

 

 

 (文責:中村)